About

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色彩作家・内藤麻美子(しきさいさっか・ないとうまみこ )

現代美術家。
神戸生まれ。 親の仕事の関係により、神奈川、愛知、埼玉、千葉、兵庫と様々な地域で育つ。
2006年武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。同年より都内のグラフィックデザイン事務所に、デザイナーとして勤務。
2009年ロンドンへ留学 Central Saint Martins College of Art and DesignにてPrint making, Experimental Painting コース修了。
2012年から京都に拠点を移し、色彩作家としての活動を開始。
2013年度から京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)の講師に就任。

ステイトメント

内藤麻美子は、 心の印象を、色彩と言葉を用いて表現する美術家である。
複雑な内面の感覚を、視覚化したいという思いが活動の根源にある。
心の内側にこそ、人を動かす原動力が潜んでいるという信念をもとに、
自然の素材から生まれる伝統的な日本画の顔料を使用して、和紙に広がる多様な色彩の表情を、心の動きにみたてている。
情報が溢れる現代において、自分の内面を見つめることの大切さと、 一人一人違う感性を持つ存在である尊さを見つめ直し、深い部分でのコミュニケーションと共有意識のきっかけを産み出すことを目的としている。

活動の3つの軸

色彩作家とは、自らが作った肩書きであり、活動は3つの軸で成り立っている。

  1. 企業や個人からの依頼をうけ、テーマから色彩イメージを制作するクライアントワーク
  2. 個人で制作、発表をするパーソナルワーク
  3. 色彩講座やワークショップなどの色彩レクチャー

1.クライアントワーク(受注色彩制作) 

打ち合わせ、ヒアリングを通して、 大切な想いや、目標、指針などの言葉をピックアップし、色彩画を制作する。
絵画の領域だけではなく、グラフィックデザイナーとしての経験を活かし、用途のあるプロダクトへの展開も行う。

2.パーソナルワーク(個人色彩制作)

日々の想いや感情をテーマに制作している。オリジナルの色見本である想色見本をSNSを通じて発表したり、定期的に個展・グループ展を開催している。
作品制作が自身の心のセルフトリートメントであり、鑑賞者の内面を見つめ直すきっかけとなることを目的としている。

3.色彩レクチャー(色彩講座、ワークショップ活動)

自分の心を見つめて、色彩と触れ合い、表現する時間を提供している。
絵画制作レベルを高めることより、心を表現して自己理解を深めることを目的としている。

経歴

主なクライアント
上羽絵惣株式会社山岡白竹堂株式会社京都造形芸術大学ワコールPOLA森永製菓CASIO カシオ計算機株式会社新宿伊勢丹百貨店高島屋阪急百貨店京都きもの市場壬生寺京都大丸百貨店西本願寺・参拝教化部UNODESIGN
主なクライアントワーク
2020 季節のタッセル 4種の掛紙制作
2020 唐招提寺 うちわまき 奉納
2020 皮膚科学会総会メインビジュアル色彩制作
2020 壬生寺 だんだら羽織復興奉納式典 色彩制作
2019 ワコール / 秋の広告用 色彩画制作
2019 音楽ユニット・jizue / アルバムアートワーク 色彩画制作
2019 UNO DESIGN/ウエディングドレス用テキスタイル 色彩イメージ制作
2018 心理カウンセラー(個人) / CI、名刺デザイン制作
2018 ヨガスタジオ shin yoga / CI、名刺、ショップカード制作
2018 川勝直七法衣店 / ふろしき3種用 色彩画制作
2018 国宝・西本願寺 / 秋の法要・表紙色彩画制作
2018 京都きもの市場 / 室内鑑賞用 色彩画制作
2018 HOTEL ART MONZEN KYOTO 客室アート 色彩画制作
2017~20 京都造形芸術大学 / 卒業制作展図録表紙 色彩画制作
2017~18 京都きもの市場 / ニュースレター表紙色彩画制作
2017 森永製菓 / チョコレート・ゆふてん パッケージ制作
2017 hitoto plus / CI、名刺、紹介冊子デザイン制作
2017 老舗料亭・助六 / 暖簾用色彩画制作、敷紙用色彩イメージ制作
2016 POLA / thanks present gift 色彩ディレクション・デザイン制作
2016 イタリア料理店・アルソニャトーレ / メニュー用 色彩デザイン制作
2016 gift corporation / 香水用・色彩イメージ制作
2016 国宝・西本願寺 / 春の法要・表紙色彩画制作
2016 matou漢方店 / website イメージカラー・イラスト制作
2016 阪急百貨店 / ストール用 色彩デザイン制作
2016 川勝直七法衣店 / 輪袈裟、中啓制作
2016 老舗京扇子店・白竹堂 コラボレーション扇子「想色」制作
2016 新宿伊勢丹百貨店 / 新春・ウインドウディスプレイ装飾
2015 新宿伊勢丹百貨店 / 秋・ウインドウディスプレイ装飾
2015 新宿伊勢丹百貨店 /リモデル1周年・ウインドウディスプレイ装飾
2015 エステサロンvijyu / CI、名刺、ショップカード 制作
2014 華道家 Ryoko Nishimura / CI、名刺デザイン制作
2014 上羽絵惣株式会社 沖縄店 / ショップイメージカラー制作
2014 新宿伊勢丹百貨店 / ウインドウディスプレイ装飾
2014 CASIO / 時計・ブルーオシアナアスブランドブック アートページ 制作
2014 アスナル金山 / 春のイメージグラフィック制作
主な個展・グループ展
2019 Gallery HAKU / Kyoto にて個展開催
2018 HOTEL ART MONZEN / Kyoto 全客室アート作品制作
2017 橋本関雪記念館 / kyoto にて表具グループ展 出品
2016 Gallery ABS / Kyoto にて個展「さみしさの放つもの」開催
2016 阪急梅田本店 / Osaka にて母の日イベント 作品展示 開催
2015 重要文化財 上賀茂神社 / Kyoto にて グループ展「二葉葵展」 出品
2015 東京ミッドタウン / Tokyo にて8周年記念イベント 作品展示 開催
2014 新宿伊勢丹店 / Tokyo にて リモデル1周年記念イベント 作品展示販売 開催
2013 錦市場 / kyoto にて 「若冲オマージュ企画展 」出品
2013 青山スパイラルホール / Tokyo にて 武蔵野美術大学グループ展示会 「MUSABIZUM展」 出品
2013 NU茶屋町 / Osaka にて 1,8,9階ショーウインドウ展示 実施
2013 Miho project / kyoto にて 個展「こころ化粧」開催
2012 Gallery point / Ebisu にて 2人展「人間のようなもの」巡回展
2012 phooh's gallery / Kyoto にて2人展「人間のようなもの」
2012 Gallery PRINZ / Kyotoにて個展「心を溶く旅」開催
2011 Gallery Art Point / Ginza にてグループ展 出品
2010 Gallery Conceal / Shibuya にてグループ展 出品
色彩講師活動
2020 ISLAEL and JAPAN BEAUTY WIND プロジェクトzoom講義
2020 京都造形芸術大学 情報デザイン学科 非常勤講師
2019 京の伝統産業わかば会への色彩講座 開催
2019 トンボ鉛筆株式会社 グラフィックカラーペンを使った 春の色彩デザイン講座 開催
2017~現在/ 京都造形芸術大学 情報デザイン学科 非常勤講師 就任
2016 京都太秦映画村・大江戸酒場にて燈籠ながしワークショップ 開催
2016 ハッピーアースデー大阪にて 色彩ワークショップ開催
2015~現在/ 藝術学舎 自分色を作る 色彩講座 開催
2015~現在/ 最古の絵具商・上羽絵惣株式会社にて 想いを彩る色彩ワークショップ 開催
2015 京都NHK文化センターにて色彩講座 実施
2014 京都市観光協会 京冬の旅・京夏の旅 色彩ワークショップ 実施

制作プロセス

顔料を定着させるために時間と手間がかかるが、その準備をする時間も想いを彩るために必要な過程となる。

色彩作家への道のり

心の動きや、内面をテーマにしている理由
~自己表現がうまくできなかった幼少期~

父の仕事の転勤により、中学に入るまでに神戸、鎌倉、名古屋、埼玉、千葉、兵庫、千葉と引っ越しを多く経験しました。 転校先で同級生と打ち解けられず、人の顔色を伺いすぎたり、外に出せない想いが心の中で増殖し、自分の存在意義を認められない日々が続きました。その時の経験により、複雑な気持ちの存在に気づき、それを認めて表現することで他者とコミニュケーションを図るという今のテーマへと繋がっています。

自分にとって本当に大切な物は何か?
~気づきをもらった二度の震災体験~

阪神大震災があった当時、兵庫県の西宮市に住んでいて、被災しました。当たり前にあった学校も休校となり、暫くガスも使用できずガスコンロで料理をして、銭湯に通う生活でした。遊んでいた公園は仮設住宅で埋め尽くされ、 お金持ちの人が住んでいた豪邸が跡形もなく更地にされているのを目にしたりと、小学生だった私には衝撃的な体験でした。

「いつ何がおこるかわからない、だから自分にしか出来ない何かをやって生きたい」と強く思う様になりました。その目標を元に、武蔵野美術大学へ入り、夢だったグラフィックデザイナーになりました。都心での華やかな仕事は楽しいものでしたが、自分にしかできない表現を求めて、アーティストになることを決めました。観たことのない世界への憧れからロンドンへ1年間留学するのですが、日本人としてのアイデンティティーが何かを明言できなかった自分に失望し、それを見つけるべく帰国しました。
帰国後、東京で東日本大震災に遭遇し、小学生の時に感じた想いが強く蘇りました。自分が何を大切にして、表現していきたいのかをもう一度見つめなおし、京都で色彩作家活動を始めようと決意したのです。

水干絵の具との出合い
~亡くなった祖母が、昔使っていた画材~

東日本大震災後、関西に引っ越しをし、 自分に合った表現方法を探していた頃のことです。 ふと、父方の祖母が亡くなる前に、 日本画の道具が一式余っているから私に使って欲しいと言ってくれていたことを思い出し、 親戚の家の押し入れに眠っていた画材を貰って使い始めたことが、この日本画顔料・水干絵の具との出合いです。 顔料を触った感触、その発色、作業プロセス全て含めて、自分に合っていると直感的に感じました。 きっかけをくれた祖母に感謝しています。自分にしかできない表現を探して様々な作品を作ってきましたが、色を選ぶことだけは無心で出来る事に、ある時ふと気づきました。そこから、色彩を表現の基盤にして、内面を表現していく今のスタイルが生まれました。

水干絵具、岩絵具の特徴
~京都の職人さんの手で作られている日本画顔料 ~

水干絵具(すいひえのぐ)とは白い土や胡粉を染め付けて作られており、日本画の岩絵具に比べて粒子が均一で混色がしやすいのが特徴です。 京都で製造されており、色名に紅梅、若葉、郡緑など美しい和の色名がつけられています。岩絵具(いわえのぐ)とは主に鉱石を砕いて作られた粒子状の絵の具です。
色彩作品が水彩画と誤認されることがありますが、水彩絵の具に比べて日本画顔料は質量があり、耐光性、発色も強いです。 日本画顔料は膠(にかわ)という定着剤を混ぜ合わせます。重ねることによって、下にある色と響き合い、独特のハーモニーを産み出します。