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おもうチカラ

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寒い日は 家から見える山の頂上にうっすらと雪がつもっています。
 
最近、とても共感できる エッセイを読みました。
輪島で塗師をしている赤木明登さんの「うつくしいもの」という本です。
その一部を紹介してみようと思います。
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「思う力」
海岸に流れ着いた流気や河原の石っころ。
そんなものにどうしても見惚れてしまって、一度手に取ると、離しがたくなる。
僕もこの石っころのように静かで美しいものを作りたいと想う。
だけど悲しいことに、僕のつくりだしたものはどこまでも人工のものでしかない。
流れる雲、葉っぱ、雷、ふりしきる雪、一匹の虫、立ち枯れた木、
砂の一粒から満点の星まで、なぜ自然のすべてはこんなにも美しいのだろう。
そこには命があるから。
命があるということは、バラバラではないということ。
バラバラではないということはすべてが繋がっているということ。
この世で唯一繋がっていないものは、人間がこの百年くらいで作り出したもの。
もう人間は、自然の懐に抱かれては行きて行けないように、
自然にあるものと同じ物を人間が作り出すことはできない。
だが人間に唯一与えられた能力がある。
思う力だ。そして思いは必ず実現する。
私たちは、長い間自然に美しさを感じ、
それを自分が作る物の中に写し取ろうとしてきた。
まだ人間が宇宙や自然としっかりと繋がっていた時代には、
人間が作った道具もちゃんと繋がっていた。
そんな道具は、今でも美しい。
僕はもうバラバラになってしまって宇宙とも自然とも繋がっていないけれども、
まだ何が美しいかぐらいははっきりわかる。
それを思う力もちゃんとある。
僕は今、心から美しいものを作りたいと思う。
人が観ているもの、人が毎日使っている物は、人を幸せにできると信じている。
バラバラになった僕が美しいものと出会い癒されたように。
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この本は、「うつくしいものとは何だろうか」という赤木さんの問いとともに、
14名のクリエイターの暮らしを訪ね、その美学に迫るという内容です。
エッセイを読んで涙がでたのは初めてでした。
人によって美しさの定義は違いますが、
何かを想う心が、美しいと思っている私は、
この文章に感動しました。
自分の内側の炎をなくすことなく、
想いを表わしていこうと思います!
 
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